DANCE DIVE WEEK

なにわのコリオグラファーしげやん北九州に登場!夕暮れダンス「ちょいとゴメンよ、じゃまするよ」 レポート

October 23rd, 2013 Update / Author: miami

小倉の台所、旦過市場のそば。
ここは、焼鳥居酒屋「鳥松倶楽部」。店内は、満席である。
それもそのはず、今宵はここで、「しげやん」が踊るのだ。
焼鳥を片手に酒を酌み交わす人々の表情にも、少しばかり緊張がはしる。
何を隠そう、わたしも、内心では、ドキドキしていた。
だって、「ダンスダイブ」なのである。
しげやんが、居酒屋で踊るということは…みんな、踊らされるということに違いない!踊れるのか!わたし!!
ひとまず、相席になった人々と挨拶を交わしつつ、平常心を装い、その時を待つ。

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と、突如、軽快なミュージックが流れだし、真っ赤なワンピースを着た、しげやんが登場!
さっき乾杯した相席の男性が、着ていた白シャツをバッと脱ぎ捨て、真っ赤なTシャツで踊り出した。
店内を見回すと、男性、女性数名が、同じように赤シャツでしげやんに続く。
おおおお、ダンサーが紛れていたのか(そういえばあの男性、なんか初めから怪しかったんだ!)

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しげやんwith赤シャツダンサーズが、つかみの一曲を終え、ポーズを決める。
ひゅーーーーー!しげやん!カッコイイ!!!
のっけから、店内のボルテージが一気にあがった。熱気がスゴい。

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そして、息をつく暇もなく、「コクラバーナ」がはじまる!
コクラバーナとは、ニューヨークのナイトクラブを舞台にした楽曲「コパカバーナ」をもじって、
小倉のために、しげやんが振りを付けてきてくれた演目。
北九州芸術劇場のサイトのイベント告知ページに、練習用にと動画があがっていたものだ。
しげやんに、いつ「カモン!」と誘われてもいいように、わたしも密かに予習をしてきていた。

「肘〜♪ 肘〜♪ おしり〜♪ おしり〜♪ 押して〜♪ 押して〜♪ ここは、小倉っっっっっバーナッ!!!」
しげやんが、弾けるように踊りだすと、赤シャツダンサーズがそれを盛りたてるようにうごめく。
よくよく見ると、ダンサーたちは、北九州芸術劇場のスタッフではないか。
劇場で見かける仕事モードの顔とはうってかわり、完全に自分の世界に入ってしまっている。
みなさん、いい表情!!!ステキ!!心のなかで拍手を贈りながら、わたしも負けじとカラダをくねらせる。

「ミュージックパッション!オールウェイズパッション!!!(ビールジョッキを飲み干すアクションで)カンパ〜イ!」

文字にするとなんとも滑稽に思えるが、軽快な音楽と、誰もが真似できる簡単な振り付け、
ところどころにカラダのキレを要する決めポースが用意されていて、
カラダを動かしているうちにだんだんと夢中になってしまう不思議なダンス「コクラバーナ」。
この夜、いったい何度踊ったことだろう。
気がついたら、お客さんというお客さんが立ち上がり、乾杯を繰り返し、抱き合って、
しまいにはしげやんを先頭に、列になってぴょんぴょん飛び跳ねて踊り狂っていた。

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わたしは、店にいる人の全員が、最高の顔で笑っているのを見ながら、
2年前、しげやんのダンスに初めて出逢ったときのことを、思い出していた。

別府の『永久別府劇場』で観た『A級デラックスナイト』。
ダンサー・振付家・総合演出に、しげやんこと、北村成美。
出演者は、別府市民。場所は、元ストリップ劇場。
別府の街でワークショップを重ね、子どもから若者、おやじ・おかんまで
あらゆる世代のエネルギーに溢れた、笑いあり涙ありの一大レヴューショウ。
ストリップ劇場の名残である回転舞台にかぶりつきながら、わたしは、
自分でも説明がつかない感情で、胸をいっぱいにしながら、泣いていた。

そこには、あらゆる隔たりが、なかった。
男も女も、老いも若いも、背が高い、低いも、
太ってる、痩せてるも、障害がある、ないも。
そんなこと全く関係なくて、ありのままの「自分」として存在することが許された舞台で、
思い思いの美しさを、生を、ありのままに、見せてくれた。
だから、ふいに、自分までも許された気がして、泣いてしまったんだと思う。
これが、しげやんが全身全霊を傾けている、ダンスなのだった。

あの時の空気を、今度はわがまちで味わうことができるなんて!!
こんなに嬉しいことがあるだろうか。
ありがとうしげやん!ありがとう北九州芸術劇場!
わたしは叫びだしたくなるくらい、嬉しい気持ちでいっぱいだった。

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多くの人は多分、ダンスなんて自分には無理だ、と思っていると思う。
わたしもそう思っていたし、いまも、無理だと思うことの方が多いかもしれない。
だけど思いきって飛び込んでみると、「踊れない」と思っていたのは自分の方で、
あたりまえだけど、ダンスの方から拒絶されていたわけではなかったんだとわかる(上手か下手かは別として)。
それと同じように、すべての人やものごとを、「わからない」と決めつけていたのは
自分の方ではなかったか?と、踊りながら自問自答する。

人生には、飛び込むか、飛び込まないかがあるだけで、
プールは誰にでも、平等に開かれていたんだ。
ダンスをはじめ、すべてのアートが等しく、そうであるように。

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親愛なるしげやん。
しげやんのダンスがいつも、
わたしに、そのことを思い出させてくれ、
飛び込む勇気を、与えてくれています。(み)

* * *

北村 成美(しげやん)
なにわのコリオグラファー“しげやん”。
「生きる喜びと痛みを謳歌するたくましいダンス」がモットー!
最近の活動はFBでチェックを!

夕暮れダンス「ちょいとゴメンよ、じゃまするよ」
9月18日(水)-19日(木)18時〜20時
会場:北九州市内角打ち・焼鳥屋で開催

ダンスダイブウィーク
2013年9月16日(月・祝)– 29日(日)
会場:北九州芸術劇場 小劇場、リバーウォーク北九州1階ほか

十人十色のダンスを十人十色の楽しみ方ができるように、
2週間にギュギュッとまとめたダンスの祭典。
全く異なる個性を持つダンサーが集まり、老若男女、
どんな人でもダンスにふれることができる、
プログラムが取り揃えられた。

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マイアミ企画(Miami Kikaku)
2011.11.11設立。
私の「いま」をポップにエディットする!をテーマとした
エディターいわくまみちこ・デザイナーおおがななえによる妄想カンパニー。
雑誌の発行/企画・編集を始めとする様々なツールで
「伝えたい」を形にしていこうと思っています。
今、気になることは、“どう楽しんで暮らせるか“。
そのために欠かせない、演劇や音楽、本やアートのことなどを
記事に出来たらいいなって思っています。
http://www.miami-kikaku.jp