Fukuoka civic hall

[REPORT]福岡市民会館バックステージツアー2013

October 20th, 2013 Update / Author: komatsu

civichall01 こんにちは。prefabメンバーの小松です。
9月に福岡市民会館のバックステージツアーに参加してきました!
今回はその様子をレポートします。

入り口から中に入ると、ロビーでまず目に入るのが、博多祇園山笠の人形。
福岡市らしいですね〜。飾り山は街で見ても、人形をこんなに傍で見たのは初めてです。
いや〜なんとも美しい伝統の技ですね。じっと見ていると動き出しそうな迫力があります。
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大ホールでは、三味線音楽『長唄』の実演を見せていただきました。マイクを持っているのは館長の梶原さんです。
演目は、「俄獅子(にわかじし)」と「勧進帳(かんじんちょう)」。
唄、三味線、笛、小鼓、大鼓、締太鼓、ひとつひとつの音が丁寧に染み込んでくるような重厚感がありました。
演奏の後は、楽器を分解して折り畳んだり、音の出し方の説明もしていただきました。
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舞台を片付けてからは、舞台上の仕掛けを体験しました。
床の一部を丸く切り抜き、回転して舞台転換や印象的な演出に使われる「回り舞台」に乗ったり、床の一部を四角く切り抜き、下から上がってきたり下がったりする「迫(せり)」に乗ったり、下手奥にある綱元でロープを引いて舞台上部の吊物を上げたり下げたり操作しました。
舞台スタッフさんは力仕事で男性が多いイメージですが、近年は機械で操作できる部分も多く、またセットも軽量で下にローラーがついて運べるので、女性スタッフも増えてきているそうです。
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上手側の客席の壁のちょっと出っ張った部分には、照明室があります。
昔はたくさんの人が「せーの」の合図で照明を点けたり消したりしていましたが、今は機械のボタン一つで操作できるようになったそうです。
舞台後方に色味や月、太陽を映し出すのもボタン一つでできてしまいます。
でも最新の機械よりは古めなので、照明が動いたり、色が変わったりするムービングライトの操作はできないそうです。
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ロビーの端には、福岡生まれの版画家・小川幸一氏による「緞帳(どんちょう)」の絵柄が飾ってあります。
白い球体の中に秘められた生命力、魂、量、力を、福岡市の発展と市民の力に重ねて表現されています。
緞帳は、客席から舞台を隠すための幕で他の国にはない日本独自の装置で、各劇場・ホールでデザインも異なるそうですよ。
また、主に歌舞伎の舞台で使われる「定式幕(じょうしきまく)」は、一般的に黒色・柿色・萌葱色の三色ですが、こちらも劇場によって色の順番に違いがあるそうです。
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現在はダンスやお芝居の練習に使われている3階の練習室Cは、かつて国際会議に使われていました。
上の窓付きの出っ張りは通訳さんの席だったそうです。
ちなみに3階の通路の壁は斜めになっています。外側の扇形の形状と内側の斜めの壁が、縁起もよく斬新なデザインとして、当時コンペで採用されましたが、斜めの壁は掲示物も剥がれやすく、圧迫感もあり、今は不便という声が多くなってしまっています。
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4階には、音響室と映写室があります。
音響室の機械は最新式で3月に納品されてから、大ホールの音に関わるすべてがこの一台に記録されています。
「あの公演の音を再現したい」と思ったら、担当者がいなくても、機械が全部覚えているので非常に便利です。
とても大きいですが家庭用パソコンと同じように、ディスプレイもマウスもキーボードもあり、LANケーブルもつながっていて、舞台袖の機械ともやり取りできます。ただひとつ不便なのは、舞台上の人がどのマイクを持っているのかわからなくなってしまうことがあるので、双眼鏡でのぞいて見るそうです。
映写室には、35mm映写機がありますが、現在は使用されていません。
古い施設のため、スタッフさんのいる部屋にはエアコンがなく、夏は暑く冬は寒い厳しい環境になるそうです。
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コンサートやミュージカル・舞踊・演劇、講演会など、様々な催し物が開催されているので、たまに足を運ぶことはありましたが、こんなに中をじっくり見たのは初めてでした。日本らしさや福岡らしさ、歴史と伝統がたっぷり詰まった市民会館は、福岡市民みんなの施設だと感じることができました。


昭和38年(1963年)10月に開館した福岡市民会館は、今年で建設50周年を迎えました。
九州内で福岡市民会館より古い劇場は、福岡県飯塚市にある嘉穂劇場と熊本県山鹿市にある八千代座の2つだけだそうです。

老朽化した福岡市民会館の立て替え予定は、福岡市拠点文化施設基本構想にて、徐々に進んでいるようです。移転予定地は隣接する須崎公園です。
新会館は中ホールのほか、1500席以上の大ホールや200-300席の小ホールを整備、練習施設なども併設し、国内外に向けた福岡発の舞台や音楽などの作品創造、芸術家や文化事業を担う人材の育成機能も充実させる方針とのことで、数年後、福岡の文化芸術事業がどんな変貌を遂げるのか今からとても楽しみです。

Category: FUKUOKA, REPORT, THEATER /

AUTHOR

小松 慶子(Keiko Komatsu)
1983年長野県生まれ。東京都在住。会社員。
2011年5月〜2014年5月まで転勤のため福岡で暮らす。
演劇・デザイン・アート等、興味の赴く所に出没します。
http://www.komamerc.org