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12.14(土)-15(日)マームとジプシー 新作「モモノパノラマ」プレス会見

October 17th, 2013 Update / Author: miami

マイアミ企画のおおがです。10月15日に福岡市中央区薬院にあるカフェソネスにて行われた
マープとジプシーの新作プレス会見に行ってきましたのでレポートします。

マームとジプシーとは、藤田貴大さんが全作品の脚本と演出を務める演劇団体として2007年設立され、
2011年6月〜8月にかけて発表された三連作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』での第56回岸田國士戯曲賞の受賞や、
2012年5月〜7月にかけて発表された『マームと誰かさん』での、他ジャンルのアーティスト(大谷能生さん、飴屋法水さん、今日マチ子さん)との共作などが
記憶に新しい、若手の注目演劇団体。さらに、2013年8月には沖縄戦に動員された少女たちより着想を得た今日マチ子さんの漫画を題材に、
クラムボンの原田郁子さんが音楽を担当した『cocoon』を東京芸術劇場シアターイーストで発表するなど、
作品毎に新たな挑戦を見せながら多くの作品を生み出しています。

そんな藤田さんが、今回福岡にやってきたのは、今年12月に北九州芸術劇場で公開されるマームとジプシーの新作「モモノパノラマ」の会見の為。
新作についてはもちろん、演劇観や音楽についてなど、いろいろお伺いすることが出来ました。

02 マームとジプシーといえば特徴的なのが同じシーンを何度も繰り返し行う「リフレイン」。
繰り返すことによって、言葉の意味も、動作の意味も最初のシーンからどんどん異なって、心の裏にある強い感情に近づいていくような気持ちになります。
藤田さんはこの手法について、「自分が演出しているのは、リピートや反復ではなく”リフレイン”だと気づいた時があった。
作品の共通テーマでもある“記憶”、すなわち、過去を追求することとは、何度も頭の中で繰り返されるもの。
その繰り返しを舞台で表すとリフレインという手法になることは、音楽でメロディを繰り返すのと同じで、
ごく自然なことだと思っています。」と語っています。

また、俳優たちの運動量が多いことも自他ともに認める、マームとジプシーの大きな特徴のひとつ。
「日常の仕草をデフォルメして、カメラのアングルでは見せることの出来ない、演劇ならではの“リフレイン”が、動くことに繋がっていく。」
ここでも、キーワードはリフレイン。この手法により、どんどん高ぶっていく俳優と観客の感情の変化がマームとジプシーの醍醐味だと思います。

03 イタリア・フィレンツェ、チリ・サンティアゴでも上演された、
『てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。』と、
今日マチ子さん原作で、2013年8月に上演された、『cocoon』を、少しだけ映像で見せていただくことができました。
冒頭でもご紹介したように、近年、藤田さんは多ジャンルの方とのコラボレーションで作品を作ることが多かったのですが、
そのことについては、「終着地点ではなく、今後の活動に活かす為。今は自分たちの音に戻す作業をしています」。と語っています。

今回のお話しは「飼い猫のモモが家に来てから死ぬまでの話し」。
よりパーソナルで、オリジナルを強調するようなテーマを描きたかったとのことで、
実際に今年の7月に藤田さんに起こった体験がモチーフになっており、
猫から見た世界を織り交ぜながら、「生きているだけ」ということを表現するそう。

猫が死んだこと、それにより人間が悲しむこと、
そして、実は猫自身は「死ぬ」為の「生きる」ではなく、ただ「生きていた、存在していた」だけだということ—。
とてもシンプルで、誰もが感じうる身近なことが、リフレインにより描かれます。
さらに、「生きているだけ」に相当する「動いているだけ」を表現するある意味、擬人化されたように見える俳優たちの動きにも注目。

01
今回は、『ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。』、
北九州芸術劇場プロデュース『LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望』に次ぐ、3度目の北九州公演。

海外公演での成功で感じた、言葉以上の『音』が持つ力に、
今まで音と一緒に歩んできたことは間違いじゃなかったと笑う藤田さん。
「音楽のライブにくるように、音を聴きにくるような感覚で観てほしい」。

音楽や、美術、漫画、小説など、違ったジャンルとのコラボレーションで得た経験とともに魅せる
久しぶりの、マームとジプシーオリジナル公演。
答えや意味を議論するような難解なものではないけれど、「生きている」誰もが共感出来るような題材なので
演劇に初めて行く方にもオススメしたい作品です。

* * *

マームとジプシー「モモノパノラマ」
12月14日(土)14:00開演/18:00開演
15日(日)14:00開演

北九州芸術劇場 小劇場

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マイアミ企画(Miami Kikaku)
2011.11.11設立。
私の「いま」をポップにエディットする!をテーマとした
エディターいわくまみちこ・デザイナーおおがななえによる妄想カンパニー。
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