Our Fukuoka migration plan 2014

[REPORT]ぼくらの福岡移住計画 SUMMER WORKSHOP2014

August 13th, 2014 Update / Author: komatsu

Processed with VSCOcam with c1 preset こんにちは、prefabメンバーの小松です。
今回は、クリエイターやエンジニアの楽園とも囁かれる福岡県福岡市近辺に移住したい方向けに、現実的な視点で「移住」を考えるイベント『ぼくらの福岡移住計画 SUMMER WORKSHOP2014 ーワークショップで考えるぼくらの福岡移住計画|夏休み編ー』(@東京都千代田区)に参加してきた様子をレポートします。

まずは、イベント主催の須賀大介さんと一緒に活動している福岡R不動産のメンバーの方のご挨拶です。実はweb制作会社を営む須賀さん自身も2011年の東日本大震災を機に福岡へ移住した移住経験者。2010年頃から「ママンカ市場」など、webに留まらない地域や地方のコミュニケーションづくりに関心を持って取り組んでいたところ、震災が発生して、「人生・家族・仕事」を見つめ直し、ローカルクリエイティブを生業にすることを決意されたそうです。現在は、福岡市中心部から車でおよそ30分の、海のきれいな人気エリア糸島市にほど近い西区今宿でご家族4人で生活されているそうです。通勤者に人気なのは福岡市中心部ですが、クリエイターに人気なのは自然の豊かな糸島エリアです。いずれも家賃は東京の類似条件と比べると2分の1もしくは3分の1程度で住めます。福岡移住をサポートしてくれた福岡R不動産の方と移住サポートのプロジェクトを立ち上げた後『京都移住計画』代表の方と知り合い、現在の活動へと繋がっているそうです。
iju02 イベントは、3部構成で進んで行きます。

【第一部】ライフデザイン
移住実践者や働き方のパイオニア3人のお話しを聞いて、どこで、だれと、どのように生きたいか、生き方の可能性を考えます。

カズワタベさん
[プロフィール]1986年長野県松本市生まれ。2013年12月より、東京と福岡の二拠点生活を始める。大学在学中にはライブハウス店長、クラグジャズバンドのリーダー/ギタリスト、卒業後にはWebサービス運営会社の取締役を歴任し、現在はフリーランスとして「考える・つくる・広める」を事業領域に、さまざまなプロジェクトで暗躍中。Webに関わる企画・ディレクション・コンサルティング業務を中心としている。(福岡移住計画サイトより)
iju03 カズさんの考える福岡と東京のメリットは、上図右側のスライドです。
「どこに住んでも、メリットデメリットはあるから、『いいとこ取り』をすればいい。自分に取って理想の割合が、僕は「福岡3:東京1」。それをどうやって実現するか、とりあえず住んでしまって、住んだあとにどう微調整するかが大事だと思う。そのとき自分が一番気持ちよい生活をすること。僕は沖縄が大好きなので、数年後、沖縄もこの中に入るかもしれない。」
最近の活動としては、Fabbit(シェアオフィス)のコミュニティマネージャーや、ピクトグラム制作で競い合うイベント「Pictathon」の開催、沖縄の古宇利島のWebサイトを自主的に制作、また8月1日に新会社を設立したばかりだそうです。

畠山千春さん
[プロフィール]3.11をきっかけに、大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ、「自分の暮らしを自分で作る」べく活動中。2011年から動物の解体を学び、鶏や合鴨を絞めて食べるワークショップを主催。2013年に狩猟免許を取得し、近くの山で狩りを始める。獲物の肉を食べるだけでなく、軟膏、薬作りや皮なめしも合わせて勉強中。現在は食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる糸島シェアハウスを運営している。(福岡移住計画サイトより)
iju04 もともとは会社の転勤で福岡に移住して来た畠山さんですが、現在は勤めていた会社を退職し、「エネルギー・食べもの・仕事を自分たちでつくる」ことを目標に新米猟師として糸島シェアハウスで生活しています。具体的には、エネルギーならソーラーパネルや床暖房を自分たちで作ったり、食べものなら棚田で農業をしたり、イノシシを獲ったり、わき水を汲んだり、仕事なら料理人、音楽家、写真家、着付師等一芸を持っているシェアハウスのメンバーみんなで、マルシェを行ったりしているそうです。
「福岡のいいところは、水や食べものがおいしく、自然が豊かなのに、都会も空港も近くて、すなわち東京や海外が近い。面白い人が集まっているし、みんな温かくてよそ者でも受け入れてくれる。暮らしにかかるお金が安く、この前ひと月の生活費が12000円で済みました。ひとりでできなくとも、信頼できる仲間と、自分たちが持っている技術を仕事にして行くことに、リスクなく挑戦していける場所です。今後やってみたいことは、田舎の暮らし方をもっと広めて行きたいです。」

安藤美冬さん
[プロフィール](株)スプリー代表。慶応義塾大学卒業後、(株)集英社を経て現職。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、肩書や専門領域にとらわれずに多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。多摩大学経営情報学部専任講師、講談社『ミスiD(アイドル)2015』選考委員、雑誌『DRESS』の「女の内閣」働き方担当相などを勤めるほか、商品企画、コラム執筆、イベント出演など幅広く活動中。(福岡移住計画サイトより)
iju05 まだ移住はしていませんが、東京の暮らしに危機感を感じはじめているという安藤さんは、最近福岡を訪れる機会が何回かあり、行くたびに街の魅力に引かれているそうです。もともとの会社員生活は安定していましたが、29、30歳の頃に「このままじゃやばい!」と自分の中でアラートが鳴って、今の活動に切り替えたそうです。「自分の軸足をどこに置くかは重要で、生活コストと自分で稼ぐコストの差額をどれだけ持てるか、自分の仕事を高く売る場所を探す、そのための戦略や直感、仕事の種になるコミュニティを作ることも大事です。」というお話しから、現代のライフデザインを「移動」「様々な仕事」「ミニマム」「発信」という4つのテーマで語っていただきました。
[移動]
ジャック・アタリの『21世紀の歴史』という本に書いてある通り、LCCやAirbnb、格安英会話、移住、二拠点生活など、現代はまさに移動の時代です。ただ、大学の講義のために調べたところ、国内のパスポートの取得率は23%、生涯の引っ越し回数は平均3回以下でした。これからは移動する人としない人に分かれて行く。私自身もこの10年で9回も引っ越しをしている引っ越し貧乏です。きっと移住を考えているここにいる皆さんも引っ越し回数が多いのではないでしょうか。
[様々な仕事]
ピーター・ドラッカーの著書に書いてある「パレレルキャリア」、会社の寿命が個人の寿命よりも短くなる時代だから、並行して2つ以上の仕事を担うことがリスクヘッジでもあるし、多面的なキャリアで自分を表現することが人生の充実にも繋がります。ご飯を食べるためのライスワークと生活するためのライフワーク。仕事を分散させるポートフォリオワーキング、ノマドワークスタイル、マイクロ起業、半農半Xなんていう言葉も生まれています。
[ミニマム]
所有よりシェア。移住者は物が少なくなる。シェアオフィス、シェアハウス、レンタルドレス、カーシェアなど。「ルパン三世式ワークスタイル」と教え子たちに説明してみましたが、世代のせいかなかなか通じません(笑)。
[発信]
無名の個人でも自分メディアを持てる時代です。Facebook、Twitter、Google+、wordpress、ブログなど。自分メディアの編集長になりましょう。

最後に「制約があるからクリエイティブになれる」ということもあります。「朝活」なんかも時間がない東京だからこそ生まれたアイディアです。

【クロストークセッション】
Q:なぜ福岡なんですか?
iju06 ■カズさん:高校から9年東京に住んで肌に合わず移住を考えました。初めは京都と沖縄を考えていたんですが、沖縄は働かなくなりそうなんで止めました。2泊3日で行った福岡も候補に入れて比較したときに、京都は空港がないので新幹線で東京から2〜3時間かかるけど、福岡は空港が近くて、街も都会だし、飛行機は安いし東京から1時間半なので、京都より近かった。あと、福岡の人は異常に地元のことが好きで、さらに地元のことを好きになってくれる人のことが好きなので、移住者を歓迎してくれる。沖縄は旅行者は歓迎されるけど、移住者はそうでもないらしいです。

■畠山さん:私は転勤で福岡に移住したんですけど、会社の移転の下見に社長と熊本と福岡を見に行って、私は阿蘇のカルデラが大好きなんで、「絶対阿蘇がいい!」と言ってたんですが、福岡の方が東京に出やすいのと、コミュニティが既にできていて入りやすかったので福岡に決まりました。初めは知り合いは0人でしたが、人の紹介で「おまえ面白いな〜。あの人紹介してやるよ。」と言われ、次会った人にも「おまえ面白いな〜。あの人紹介してやるよ。」と言われ、次の人にも・・・と1ヶ月くらいそういうことがどんどん続いて、知り合いが増えていきました。

■須賀さん:僕も移住を検討したときに、山梨・長野・福岡・京都・・・と見に行ったんですが、電車の中などの子どもへの眼差しが優しかったので、福岡に決めました。



【第二部】ワークデザイン
地元企業と一緒に、移住してはたらく・創るを考えます。
iju07 株式会社グランドビジョンより、代表の中尾さんと社員2名のお話がありました。「21世紀に最も必要とされる真のパートナーへ」をビジョンに掲げ、福岡:東京:関西=3:4:3の割合でさまざまな事業プロデュースを行っています。空海劇場ひらめきの佐賀城、社員で農地を営む等、高いクオリティと取り組みの幅広さが伺えました。「楽しい仲間と充実した人生を送りたい、自分がほっとする場所が福岡だから、福岡を拠点にしている」という中尾さんの言葉が印象的でした。
下の映像からも、活気のある社風が伝わってきます。

現在、Iターン・Uターンも積極採用中だそうです。
株式会社グランドビジョン 採用情報:http://gvn.co.jp/recruit/



【第三部】ワークショップ
第一部、第二部の話を踏まえて、参加者同士が意見を深め合うワークショップ。

4〜8人のグループをつくり、模造紙とポストイットに書き込みながら、それぞれのライフデザインとワークデザインの理想や悩みについて話し合いました。
私の所属したグループでは、都会でありながら自然に近いところや、食べものが美味しいところ、通勤時間が短い分自由に使える時間が増えるところ等をとても魅力に感じる一方で、今築いているコミュニティを離れて新しく人脈をつくることが自分や家族にできるのか、子どもの教育環境はどうなのか、物価は本当に安いのか、収入が少なくなってしまうのではないか、東京に戻って来られなくなるんじゃないか、大気汚染は大丈夫なのか等の不安要素が上がりました。
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後半は、ゲストの指名でいくつかのグループが発表を行いました。どのグループも出てくる意見はわりと似ていました。アジアの玄関口として福岡市が国際的に発展してほしいと思う反面、30年後くらいには福岡市は衰退してしまうのではないか、老後までいて大丈夫なのかという心配の声もありました。それに対して、ゲストの方は、「30年後は東京にいても大丈夫かわからないけど、福岡市は国家戦略特区に選ばれていて、市がスタートアップを推進している。やるべきこと、やらなくちゃいけないことはたくさんあるので、一緒に作っていく、参加するという意識で来た方がよいと思う。」というアドバイスや「老後のことはわからないけれど、変化の激しい時代だから、そのときに合わせた暮らし方や働き方をしていけるようにするのがいい。」と仰っていました。また、「地震や原発のことは日本ならどこにいても上手に付き合えるよう考えていかなければならないので、その点でも二拠点体制を持つことは有効。」という提言もありました。
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【交流会】
福岡名物の『めんべえ』や『にわかせんべい』等、お菓子と飲料を片手に、参加者やゲストの方との自由な交流タイム。
途中、協賛の航空会社スターフライヤーの往復チケット抽選会や、会場の参加者全員に5000円クーポンがプレゼントされる世界最大級の宿泊先予約サイトAirbnbの紹介もありました。
iju09 私は、ゲストの狩猟女子こと畠山さんとぜひお話ししてみたくて、転勤先で職種転換した経緯や、日頃の情報源、10年後のビジョンについて質問してみました。大胆に思われがちだけれども本人としては慎重派なので、普通に働きながら休みの日に狩猟の勉強をしていたこと、コストのかからずに暮らせるシェアハウスを見つけてこれならやっていけると会社を辞めたこと、家にテレビはないのでネットや一番は人からの話しで情報を得ていること、物心ついた頃からバブルは弾けていていい会社に入ることや結婚が幸せだとは思わない世代だし、アメリカでは今ある6割の仕事がデジタル化によってなくなると言われているし、普通に結婚して子どもも欲しいけど、いかにリスクを減らせるかを考えていること、前職のイベント企画・運営経験が今の人前で話す仕事やプロジェクトを動かす仕事に役立っていること、10年後は現在の取り組みをもっと大きなプロジェクトにしていたいと思っていること等、気さくにお話ししていただきました。

畠山さんをはじめ、今回お話しを聞かせてくれたゲストの方々は皆、時代の動きにとても敏感で、冷静でロジカルなビジネス感覚を持ちながら、自分が心地よく暮らすためにすべき選択の決断と実行、微調整のスピードがとても速いように見えました。活き活きと活躍する方たちが選んだ福岡という土地もまた、これまで考えていた以上に魅力的に見えました。
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イベント当日は台風11号が日本列島に上陸し、関東圏も強い暴風雨に見舞われましたが、20〜50代のおよそ120人がイベントに参加していました。

私はつい先日まで転勤で福岡に住んでいたので、友達0人からスタートする移住前の不安も、移住後の驚くほどの住み心地の良さもどちらにも終始うんうんと頷いてばかりいました。福岡市は転勤者や移住者が多く、いざ引っ越してみると、似たような心境の人にあちらこちらで出会えます。実は、今ご覧いただいているサイト、福岡の情報を編集する仕組みと活動『prefab』のメンバーも、福岡出身者より、ここ数年の間に福岡へ引っ越して来た他県出身者の方が多いのです。

福岡市は、今年発表された「過去1年間の人口増加数が全国で最も多かった市区町村(総務省の人口動態調査)」で第1位、英紙の「世界で最も住みやすい都市ランキング」で第10位と、日本全国、世界からも住む場所としての人気が本当に広がっています。

どこで誰とどんな風に暮らすか真剣に考えたときに、福岡に移住する、あるいは拠点のひとつにするという選択は、すでに実体験として成功してサポートまでしてくれる先輩がたくさんいる点でとても心強く、また万が一想像と違ったとしても、地方都市の中で間違いなくトップクラスの都会なので、情報が集まりやすく、交通も便利で、より自分の理想の暮らしへと微調整していくための次の動きもとりやすいのではないでしょうか。

同イベントは、9月には福岡市とタッグを組んた新しい企画を予定しているそうです。

都市としての発展も、住む人それぞれの活躍も、移住者へのサポート体制の強化も、今後ますます期待できそうな気がしてならない「福岡」の明るい未来を存分に感じたサマーワークショップでした。

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福岡移住計画オフィシャルWEBサイト
http://www.fukuoka-ijyu.jp

Category: FUKUOKA, LIFE, NEWS, REPORT /

AUTHOR

小松 慶子(Keiko Komatsu)
1983年長野県生まれ。東京都在住。会社員。
2011年5月〜2014年5月まで転勤のため福岡で暮らす。
演劇・デザイン・アート等、興味の赴く所に出没します。
http://www.komamerc.org